今回のヘルス・ツーリズム展への参加の目的の一つに、本場トルコのハマム体験があった。「百聞は一見に如かず」、体験なくしては何も語れずである。今回の企画には10名の日本の各業界のプロが参加。日本のスパ協会の代表、スパをつくり運営するプロ、メデイア・雑誌の書き手、ハマムと温泉の相互乗入れを思索する自治体の代表、ワインや食とツーリズムを掛け合わせ何かを産み出してしまうプロ、広告・PR業界のプロ。ユニークで有能な人たちが集い、しかも大半の人たちがトルコは初めて。トルコを「初体験」する視察調査となった。
「トルコのハマム」x「日本の温泉」、この二つを掛け合わせ、融合させることで、ビジネスチャンスが見いだせるのでは? この問いは少なくとも筆者の関心テーマの一つである。
ここで視察先・体験先の施設を紹介したい。
アンタルヤ空港から35キロ、アンタルヤの街の中心から45キロの距離にあるリゾートホテルCornelia De Luxe Resort内のCrassula Spaを訪ねた。ビーチホテル、ゴルフホテルなどが集まるリゾート地帯にある。高級感が漂いスパ客専用のプールもある。スキンケア製品、ボディケアから全身をリラックスさせてくれる機器装置、ジャクジー、サウナ、ロシアンサウナに至るまで完備されている。マッサージも世界中のありとあらゆるものが受けられる。その種類については下記の通り数が多く、英語標記であるがそのまま記載させていただく。 ここの施設独特のものもあるがマッサージにはこれだけの種類があったのかと今更驚いてしまう。
スキンケアのメニューを見てみると、敏感肌用、トラブル肌、ドライスキン肌、シワ対策用トリートメント、メンズ用フェイシャル、アンチエイジング用ケアから構成されている。スキンケア製品、アロマを使ったセラピーも充実している。ワインセラピー、ザクロセラピー、グリーンティーセラピー、音楽&瞑想セラピー、ミルク&ハニーセラピーなど。
次に、ハマムである。アナトリア文化においてハマムが歴史の舞台に登場したのは6000年前。アナトリアの歴史にとってTurkish Bathはそれ以降、トルコを象徴するものとして、世界の人々に印象づけるものとなった。
ハマムを楽しむ要領だが、先ずサウナで10分から15分、全身を温め筋肉をほぐすところから始める。一汗かいてちょうどいいところで、角質を取るためのボディスクラブをやってもらう。かつて日本の銭湯にいた「三助」役がいてその任に当たってくれる。三助は"Kese"と呼ばれる手袋で、古い角質を垢擦りの要領で取り除いてくれるのだが、その日そのときによって、三助の当たり外れがある。頭から容赦なくジャバジャバとお湯をかけ、お客への配慮などどこ吹く風の擦り方をする三助に当たったときには、不幸としか思うしかない。垢擦りの後は、foam massage、直訳すれば泡マッサージ。特別のオリーブオイル石けんを使って全身を泡で覆ってくれ、マッサージ洗いをしてくれる。ちなみに、日本の三助の語源は、銭湯で「釜焚き」「湯加減の調整」「番台業務」の「三」つの役を兼務し「助」けたことからこう呼ばれたという。このほかにも、浴場内で垢すりや髪すき等のサービスを提供していた。まさに、トルコのハマムと日本の銭湯の共通点をここに見いだせる。洗ってもらって出て来た後、下の写真にもある横になれるチェアーで飲み物をいただきながらリラックスできる。このチェアーは暖房付きで大変気持ちよくついついウトウトしてしまう。リラクゼーションには最高だ。